フィンランドでは、赤ちゃんは段ボール箱の中で眠ります。
フィンランド政府は、育児サポートとして
80年間もの間、赤ちゃんを迎える家庭に2つの選択肢から選べるプレゼントを送っています。
1つは育児給付金、もう1つは「ベビーボックス」と呼ばれる段ボール箱。
一見育児給付金を選びたくなりますが
ほとんどの家庭が「ベビーボックス」を選んでいるのです。
ベビーボックスの中身

ベビーボックスの中には
衣服、よだれかけ、おむつ、タオルなど
育児を始めるにあたって必要なアイテムが勢揃い。
更に、箱にはマットレスが敷いてあり、すぐにベビーベッドに大変身!
ベビーボックスそのものが、親たちにとってありがたいプレゼントになっています。
選ぶ割合

フィンランドで育児給付金を選ぶ家庭は僅か5%。
95%の家庭がベビーボックスを受け取っています!
ということは、フィンランドの赤ちゃんのほとんどは
ベビーボックスで寝ているということになります。
何故段ボール箱がこんなにも人気なのか…!?
凄く安い!

ベビーベッドや揺りかごは、普通に購入するとなるととても高価です。
しかも使用するのは短期間、後の置き場所にも困ります。
しかし、シンプルな箱は非常に安価で場所もとりません。
寝室にもピッタリで、処分にも困りません!
持ち運びに便利!

こちらのベビーボックスは、軽くて丈夫です。
家中のどこにでも持ち運びができます。
コンパクトなので、両親の隣に置くこともでき
赤ちゃんは安全です。
授乳で疲れてしまい、そのまま添い寝してしまうのはよくあることです。
そんな時、気づかないうちに窒息させてしまう事故も起きています。
ベビーボックスなら、窒息させてしまう危険もありません。
突然死のリスクが低い!

段ボールベッドは、フィンランドの乳児死亡率の低下に貢献したと言われています。フィンランドがベビーボックス配布を始めた1938年から、乳児死亡率は出生1,000人あたり65人から1.7人(2018年)と劇的に低下しています。これは世界で最も低い数字です。
子どもの突然死を防ぐためには、寝る場所は最も重要な要素。
ベビーボックスは、隙間風から身を守り、呼吸を妨げるもの(枕や物)がなく、熱も蓄積することがなく、快適です。
そして、箱の内面はしっかりとしている壁であり、赤ちゃんが横向きになっても口と鼻から息を吸うことが可能です。
乳幼児突然死を予防するには

・枕や寝具、ぬいぐるみはおかずに熱の蓄積を避け、呼吸を邪魔しない ・マットレスは硬いもの ・毛布ではなく寝袋を使う ・最適な寝室は16度〜18度 ・帽子やフードは被せない ・チャイルドシートのベルトを外したままにしない ・寝室は禁煙
フィンランドのベビーボックスは、フィンランドに住む妊婦であれば誰もが平等に受け取ることができます。
これは、この制度が全ての子どもに同じスタートの機会を提供することを目的としているためです。
ベビーボックスを受け取る際は、政府に妊娠の登録をする必要があるため、母親に出産前検診を促すことも意図しています。
最近では、米国、カナダ、メキシコなどの
世界各地でベビーボックス制度を導入する自治体が増えてきています。
また、2012年にスウェーデンのビクトリア王妃が、2013年には英国王室のキャサリン妃が出産に際してフィンランドからベビーボックスを受け取ったことも話題になりました。
まとめ

赤ちゃんを段ボール箱の中で寝かせるというのは少し奇妙にも感じます。
しかし、実用性を兼ね備えた素晴らしいアイデアです。
なんと、この「ベビーボックス」は日本国内でも流通しはじめています。
間違いなくお祝いとして喜ばれるでしょう。
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